営業スキルにおいて核となるコミュ力
勘違いの三つ目は、「交友関係が広い=コミュニケーション力が高い」だという認識です。
交友関係が広い、つまり誰からも好かれて、広い人脈を持っている人がコミュ力が高いと思いがちですが、これもまた、営業マンに必要な“真のコミュニケーション力”ではありません。
広く浅い付き合いなんてちょっとした工夫やテクニック次第でいくらでもカバーできます。
それに、最近ではSNS上での反応の多さから、それを多くの人から好かれているとする風潮もあります。
しかし、現実には「1人の人と深い付き合い」をしていくほうが何倍も難しいものです。
そしてそれは、営業スキルにおいても核となるコミュニケーション力だと私は考えています。
「誰からも好かれる営業」を目指してはいけない
誰からも好かれるいわゆる八方美人は、逆に言えば耳触りの良いことばかりを言っていることが本当に多いです。敵を作らないことで、一見、人から好かれているように感じるのです。
でもそれは言い換えれば、主張がない、アクがない、人格が見えない退屈な営業マンでもあることが多いのも事実です。
さらに言えば、結果を出している営業マンは、白黒はっきりと「決を採る」ことができる人です。できない営業マンほどお客さまに断られることを恐れて、いつまでも良好な関係を維持したままにしようとします。結果、大事な一歩を踏み出せずに、仕掛け中の案件ばかりが増えていきます。
営業マンはまず、自分ならではのマーケットを見つけ出し、ターゲットを明確にするべきです。
そして、ターゲットとしている人とは深い信頼関係を築くことができる。それが正しい営業であり、最も戦略的な営業だと思います。
逆に言えば、それ以外の人からは関心をもたれなくてもかまわないし、もっと極端に言ってしまえば嫌われてさえもかまわないと私は思います。
最近は深い付き合いを苦手とする人も多いかもしれません。たしかに難しいことではありますが、その分、得られる恩恵も大きいのです。
例えば、強い信頼関係を構築した上で、その方からの紹介をいただいたならば、とても濃い見込み客となります。圧倒的に成約につながりやすくなるのです。
なんとなく良い雰囲気のまま商談を進めていても最終的に結果に結び付かなければ何にも意味がありません。
つまり「誰からも好かれる営業マン」ではなく、「深い人付き合いができる営業マン」を志すべきでしょう。
そこをしっかりと認識した上で営業すると、もっともっと質の高い営業ができるはずです。