末梢神経には2種類ある

末梢神経は、さらに2つの系統があります。

その1つが「体性神経」で、たとえば足首をけがしたときに症状の悪化から足を守る働きをします。

小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社)

体性神経はまた、「明るい」「痛い」「熱い」など、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器が捉えた刺激情報を脳(中枢神経)に伝える「知覚神経」(「感覚神経」と呼ばれることもあります)と、「目をつぶる」「腕を上げる」などの脳からの指令を筋肉に伝える「運動神経」で成り立っています。

末梢神経のもう1つの系統が、「自律神経」です。自律神経は、心臓や血管などの内臓器官すべてに伸びていて、血管の拡張や収縮、呼吸や体温調整、内臓の働きなどを司る役割を担っています。

心臓や血管の動き、血液の流れは自分で動かしたり止めたりすることはできません。つまり、自律神経とは「自分の意思ではコントロールできない内臓器官」を制御している神経です。

心と体は「すべて自律神経が決めている」

自律神経の「自律した」という部分は、「無意識に機能する」ということだと捉えていただけるとわかりやすいと思います。この点が、意識的な運動を司る体性神経との違いです。

眠っている間に呼吸が続いているのも、外気の温度にかかわらず常時体温を約36度に保つことができるのも、すべて自律神経が365日、24時間フル稼働して、私たちの体をコントロールしてくれているからなのです。

そう考えれば、私たちの体と心は、すべて自律神経が決めているといっても過言ではないのです。