体調不良のリスクを小さくするには、どうすればいいのか。柔道整復師の長島康之さんは「自己認識と身体のズレを整えることが重要だ。たとえば『若い頃から体形が変わっていない』という人は要注意。そういう人は『サルコペニア肥満』になっている恐れがある」という――。

※本稿は、長島康之『運動未満で体はととのう』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

積み重ねた生活習慣が体調不良を生み出している

「あなたは、あなたの食べたものからできている」というのは、よく聞くフレーズですが、まさにそのとおりで、今の体、不調はこれまでの結果です。何を食べ、どのくらい眠り、どんな動きをしたのか……。目や耳、皮膚から入ったすべての情報、刺激が今の体をつくっています。まさに生きてきた証しです。

いい情報と悪い情報の差で体が変わる例としてわかりやすいのが、肌や髪の状態ではないでしょうか。正しいケアを続けることでツヤツヤの肌、髪が育まれます。ゴシゴシとこすったり、栄養バランスが乱れたり、睡眠不足が重なったりすれば肌はカサつき、髪はパサつくといったトラブルが発生。まさに、あなたがしてきたことのあらわれです。

日常動作となるとどうでしょう。箸や鉛筆の持ち方は幼少期から厳しく教えられましたが、立ち方や歩き方をイチから教わった記憶はありますか?

「背筋を伸ばしなさい」「まっすぐ歩いて」と注意されるだけで、こと細かく教わった人は多くないはずです。たとえば、デスクワークでずっと足を組んで座っていれば、体がゆがみ、ボディーラインがくずれるだけでなく、筋肉のこりや痛みにつながります。このように、正しい動作を知らず、自己流で過ごしている人がほとんどでしょう。

デスクワークで疲れている男性
写真=iStock.com/somethingway
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規則正しい生活、バランスのとれた食事、質のいい睡眠……。情報はあふれていますが、それを選択して行動するのはあなた自身です。脳の危機管理能力は優れていますが、楽しいこと、心地いいこと、ラクなことが好きで、不快なことからは逃げようとする性質も持っています。