自律神経のバランスが乱れると体にトラブルが

なんらかの理由で自律神経のバランスが崩れて、このリズムが正常に働かなくなると、体にはさまざまなトラブルが生じます。

そもそも現代社会は、不規則な生活、食事の偏り、運動不足、睡眠不足、喫煙、過度の飲酒、人間関係のトラブル、経済的な不安など、乱れたライフスタイルや精神的ストレスに満ちています。私たちの体と心にとって、まさに危機的状況です。

こうした厳しい環境下では、体は自然とアクセルを踏み、交感神経を高ぶらせて危険を回避しようとします。

自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位の状態と副交感神経優位の状態のどちらが長く続いても血流は悪くなりますが、より好ましくないのは、交感神経優位の状態です。

交感神経優位の状態が続くと、血管が収縮して血流が滞り、血液がドロドロになって、さまざまな病気を引き起こす原因となるからです。交感神経が過剰に優位な状態は万病を招くといっても過言ではありません。

人の形のパズル
写真=iStock.com/BrianAJackson
※写真はイメージです

コロナ禍は自律神経のバランスを破壊するアクシデント

現代社会は、ただでさえ交感神経ばかりを刺激し、副交感神経の働きを下げる要因にあふれています。それに加えて、世界に未曾有の混乱をもたらしたコロナ禍を経験し、私たちは自律神経が乱れないほうが不思議という状況下に置かれました。

コロナ禍とは、見方によっては、本来2つの神経のバランスを一生懸命にとっている副交感神経の働きを優に超えてしまう最大級レベルのアクシデントであり、ストレス状況だったともいえるのです。

ですから、「今の私たちの自律神経は、すでに大きくバランスを失い、乱れてしまっている」と明確に意識することが大切です。ここからすべてを始めなければなりません。

自律神経が乱れてしまったことを前提に、私たちがここからどのように回復させていくべきか。その方法を近著『自律神経を整える』にまとめ、エッセンスを3つに絞って紹介しました。ぜひこちらも参照いただき、自律神経のバランスと健康を取り戻す第一歩をスタートしてください。

【関連記事】
「1日2個、切ってスプーンで食べるだけ」メンタル不調に効く身近な"あの食べ物"
老化を招く「テストステロンの減少」を食い止められる…いつも明るく元気な人が摂取している"ある食材"
何歳になっても気持ちのいいセックスをしたい…そんな欲深なオジサンたちに女医が教える「夜の生活習慣」
若い頃から体形の変わらない人ほど危ない…大病リスクを抱える「サルコペニア肥満」という落とし穴
「さよなら在宅勤務…」出社デーがつらすぎる人は今すぐ取り入れたい3つの生活習慣