なかでも三浦友和さんには高い評価が寄せられた。

「三浦友和は確かに年を取った。しかしそれでもかっこいいおじさんだ」
「この映画には、若くて美しい俳優が多く出演している。しかし最も魅力的だったのは、69歳の三浦友和だ。一人の男性が、一生涯このように美しく輝けるのだということを、我々に教えてくれた」
「三浦友和が演じたのは『やくざの親分』で、中国人の心にある彼のイメージとは程遠い。しかし演技に説得力があり、複雑な心の内を深く表現していて、見るものに深い印象を刻み、記憶に残る演技だった」

中国で「神スター」と呼ばれている三浦友和さん(写真=『唐人街探偵 東京MISSION』公式サイトより)

驚くほどの高評価である。

青樹明子『家計簿からみる中国 今ほんとうの姿』(日経プレミアシリーズ)

鈴木保奈美さんも同様だ。鈴木さん出演のドラマ、『東京ラブストーリー』はDVDや動画サイトなどでずっと人気の作品である。特に、青春時代にドラマを見た40代、50代の中国人ファンにとっては、30年以上変わらぬスターでもある。

ファンの声を探ると、「声を聞いた途端に赤名リカを思い出した!」「昔を思い出す。赤名リカのファッションが、私のおしゃれの原点だった」

鈴木さんは中国版フェイスブック「微博」(Weibo)で、映画撮影時に撮った三浦友和さんとのツーショットを公開した。これに対し「あなたたちのために映画館に行きました」などのコメントが寄せられたという。

コロナ以降、なんとなくざわついていた日中関係だが、《唐人街探案3》は、日本に放たれた良い意味での一本の矢だったのかもしれない。

日中関係が悪化しても中国人には独自の“愛し方”がある

中国人には独自の愛し方がある。一度心をつかんだら、半世紀たっても変わらない。その代表例が高倉健さんや山口百恵さんである。高倉健さんがお亡くなりになったのは、日中関係が氷河期といわれ、最悪を更新していた時だった。それでも多くの人が日本大使館前に献花し、メディアもこぞって追悼番組を放送した。

中国人独自の「愛し方」は、人でも物でもほぼ同じだ。日中で活躍する中国人ジャーナリストは、青年期に初めて訪日した際乗ったのが「全日空機」だったため、それ以降ずっと変わらず「全日空機」を使っているという。

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