こだわりが強いために行動が遅れ、疲れきってしまう
「追求する人」は、手に入るすべての情報を集め、そのひとつひとつを残らず吟味したうえで決断を下す人々です。たとえば、コートを新調するとなったら、できるだけ多くのショップに行き、できるだけたくさん試着してから、どれを買うか決断します。「最高のもの」を見つけたいから、そんな行動を取るわけです。コート、パソコン、さらには結婚相手も、(自分にとっての)ベストチョイスであることを望みます。
あなたが「追求する人」で、家の備品が壊れたから修理を頼むことにするとします。けれども、修理先を見つけるのは容易ではないはずです。近所の修理屋を残らず調べ、評価を端々まで読み、ネットを何時間も見て回ったあとで、ようやく「ここにしよう」と決めるのですから。これは時間がかかるし、くたくたにもなります。
「追求する人」は、こだわりが強いうえに細かい点が気になるので、決断を先延ばしにすることが多く、それゆえ行動が遅れてしまうのです。
どうしてそうなるのでしょうか? じつは、何かを選んだりあらゆる可能性を調べたりといった作業は、とてつもなくエネルギーを消費するのです。確かに、徹底したリサーチから、これぞというものが見つかることもあります。が、そのころには、「追求する人」は疲れきっています。気力がないので、見つかったものを喜ぶこともできません。
「ほどほどでよい」という重要なルール
一方、「満足する人」は何かを買うとき、選択肢をいくつか見比べて、ある程度納得できるものがあれば、それを買い求めます。完璧である必要を感じていないので、たいていは「追求する人」よりもストレスの少ない生活を送っています。
そんな「満足する人」は、あるひとつの重要なルールに従っており、そのおかげで優柔不断にならずにすんでいます。
そのルールとは、「ほどほどでよい」と思うこと。完璧であることにこだわっていないから、あとでもっと良いものが出てきても落ち込まないのです。
ところが、「追求する人」は、いったん決めたら変更が利かないとわかっていると、ますます決断が鈍りがちになります。「今の選択肢よりいいものが出てきたらどうしよう?」という具合に、いつでももっと良いものを探し求めています。そして、そのことが「追求する人」を幸せから遠ざけているのです。