ヨドバシが生鮮や総菜を売る日が来る
例えば1つ33円(4ポイント)の消しゴム(2022年3月現在)でも、エクストリーム便で何度でも購入、また顧客にはそれ以外の商品も一緒に取り寄せてもらうことで、全体の合計利用金額を上げ利益を確保することになる。
筆者の見立てでは、いつの日か総菜、お弁当を扱う時がくるであろう。
通販サイトの名前に、「アマゾン・ブック・コム」や「ヨドバシ・カメラ・コム」のように「ブック」と「カメラ」が入っていないことには意味があるはずだ。
つまり本やカメラにとどまらず、客が求めるあらゆる商品を流通させる。枠にこだわらない商取引があることを物語っている。ただし、アマゾンとの大きな違いは、顧客接点(ニーズをくみ取る機会)にこだわるために自社対応をすることだ。
都内23区と一部都市で夕刻の配達が可能であれば、会社でお昼の休憩時間に夕方の献立を考え注文、自宅に着いたあとにエクストリーム便が届けてくれる。
土日なら、ターミナル駅に店舗があるヨドバシで家電や日用品のショッピングをするついでに、総菜や弁当を売り場のバーコードで購入することもできる。
東京ドーム7個分の物流センターをつくる構想も
ヨドバシ新宿西口本店、携帯スマートフォン館の地下2階は、駅地下の通路につながっている。現在は自転車とお酒、キャンプ用品などを販売しているが、いつの日かここがデパ地下のように“ヨド地下”と呼ばれ、総菜やお弁当コーナーになる日が来るのではないか。配達車とバイク便に、チルド食品が運べる装置を取り付ければ届けられる。
ヨドバシ新宿本社は旧東京厚生年金会館跡地にある。ここの1階には配達車などが常駐している。都内には10以上のベース拠点がある。また川崎市のキングスカイフロントに立地する物流センターでは、延べ約33万m2(東京ドーム7個分)に拡大する構想がある。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタル技術の進展により社会生活やビジネスをより良いものに導くことである。そして小売業のオムニ・チャネルとは、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)を融合するサービスだ。将来的には、どの小売業も成し遂げられなかった「究極」のヨドバシLTVとDX、オムニ・チャネルが完結することになる。
英語の「エクストリーム」には「究極」の意味もある。1年365日ヨドバシで完結する生活もあり得るのだ。