小売店のマップとは思えない複雑な通路

東京以外でも、ドンキの複雑な通路は健在です。たとえば長崎市のドンキ浜町店(図表4)。

ここまでくると、もう小売店のマップだとはとうてい思えません。一般的な建物の売り場(ドンキでは「買い場」と呼ばれています)は長方形がイメージされますが、ドンキの店内は円形の棚が入っているところもある。ドンキの複雑な店舗通路、ここに極まれり、と言ってもいいでしょう。

こうした店内の複雑さこそが、ドンキが「ジャングル」だと歌われる理由の一つでしょう。ジャングルには植物が生い茂り、人は容易に通れません。ドンキにところせましと並んだ商品を植物に見立てれば、ドンキの店内もまたジャングルだと言えます。そして複雑な売り場に大量の商品が並ぶことで、見通しの悪さが生まれるということも、容易に想像がつくでしょう。

格子状に区割りされているコンビニやスーパー

比較として、コンビニやスーパーの店内マップも見てみましょう。一般的なスーパーの店内をイラストにしてみました(図表5)。

説明するまでもないと思いますが、ドンキとは違い、それぞれの売り場がはっきりと長方形で分かれています。ドンキの店内マップに曲線が多く出てきたのとは対照的です。

コンビニの店内マップも見てみましょう(図表6)。

出入り口の横に雑誌コーナーがあって、進むと飲み物や食べ物が並んでいる。一般的に私たちがイメージするコンビニの姿です。格子状の区割りを「グリッド」と呼ぶことがありますが、コンビニやスーパーは典型的にグリッド状の通路だといえるでしょう。そして、それは小売業ではオーソドックスな店舗通路の形だと思います。簡単にいえば、どこになにがあるのかがわかりやすい。

その極端な例は会員制倉庫型スーパーのコストコかもしれません。コストコの店舗は、まず広い土地があるところにドーンと倉庫のような四角い建物が建てられます。そうして、一から街を作るように、そのなかにグリッド状の通路を作り、棚を置く。そうしてそこに果てしなく商品を並べるわけです。千葉県木更津市のコストコ木更津倉庫店の店内図をイラストにしてみました(図表7)。