成長している企業はどこがちがうのか。とあるマーケティング部門の若手女性社員、黒鳥ひながその秘密を探る鈴木みそさんのマンガ『黒鳥ひなのマーケティングファイル』(日経BP)より、第1話「ドン・キホーテはいかにして1兆円企業に成長したのか」をお届けする――。
大阪のドン・キホーテ店舗入口
写真=iStock.com/TkKurikawa
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ドン・キホーテが「ヒット商品」を連発できるワケ

「驚安の殿堂」で知られるディスカウントストア最大手の「ドン・キホーテ」。うずたかく積み上げる圧縮陳列された商品群に、最近「ド」という大きなロゴを冠したものが目立って増えてきた。それがプライベートブランド(PB)「情熱価格」だ。

鈴木みそ『黒鳥ひなのマーケティングファイル』(日経BP)
鈴木みそ『黒鳥ひなのマーケティングファイル』(日経BP)

運営元のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が連続で成長している背景には、このプライベートブランド(PB)の存在が欠かせない。ラインアップは、乾電池といった小さいものから、電動自転車のような大型なものまで実に200近いジャンルに及ぶ。1年間で店頭に投下する商品数は、食品だけで300アイテム以上ある。

単にコストパフォーマンスの高さを売りにするのではなく、手に取った瞬間にワクワクしたりドキドキしたり、驚きを感じるブランドとしての位置づけを強めた。なぜ、同社は思わず消費者が買ってしまうPBを連発できるのか。

その秘密は、同社の商品をつくる過程での「What3カ条」、「How3カ条」にあった。

「What3カ条」は、(1)しっかりターゲットを見定められているか、(2)顧客のメリットに還元されているか、(3)世の中の当たり前ではなく独自性があるかどうか。そして「How3カ条」は(1)顧客のメリットを表現できているか、(2)アイキャッチ力があるか、(3)ストーリーに納得感があるか──だ。

この6カ条こそが、PBヒットを生み出す源泉になっている。マンガではその背景や具体的な商品コピーをつくる同社のプロセスも含めて、ヒットの秘密を解説する。