こんな時代だからこそ「草の根の運動」を

【宇野】僕はこうした悪い意味での「飲み会」の文化が、人間関係至上主義というかたちで、日本社会のダメなところを象徴していると思う。でも、どうせやるならあいつらはダメだ、というんじゃなくて「こんな新しいかたちも楽しいのでは?」と提案型でやりたい。だからこの計画を考えついたんです。

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[連載]ひとりあそびの(おとなの)教科書:宇野常寛と編集部がハマった、とっておきの「あそび」を紹介するフォトエッセイ。初回はドイツの多目的作業用車両「ウニモグ」のラジコンを走らせてみた、ある1日の記録。

「飲み会」以外にも、大人の夜の遊びはもっともっともっと拡張できる。その可能性をどんどん提案していくのがこの「飲まない東京」プロジェクトです。大人の新しい夜の「遊び」や、それができる場所も提案していきたいし、アルコール以外の新しい飲み物そのものも提案していきたいと思っています。

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[寄稿]猪子寿之『「祈り」展』のこと:世界がコロナ禍に閉ざされるなか、高野山三宝院で収録した「祈り」の声を「書」にしたアート作品をめぐって、チームラボ代表の猪子寿之氏が創作に込めた思いを綴る。

——そうしたコンテンツをいかにプラットフォームの外に届けるのか、というのが課題ですね。

【宇野】これはもう、草の根の運動しかないと思っています。僕のやっていることは、反時代的だという自覚があります。でも、こうした地道な運動を今はじめないといけないと思ってくれる人、僕の作ったものが面白いと感じてくれる人に一人ずつ出会っていくしかない、そう思っています。僕の作るものを読んでも、自分が正しい側にいるという正義の陶酔は得られないし、自分は賢いと錯覚することもできないと思います。でも、もっとしっかり考えるための手がかりや新しい視点は提供できているはずです。そこに価値を感じてくれる人には、満足してもらえるかなと思います。

(構成=ライター・村上敬)
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