急な空き時間にはあえて予定外の行動
「急に時間が空いたときや待ち時間に、何をするかを決めている」という問いに「あてはまる」と答えた人の割合は、年収1500万円以上だと13.7%で、これは500万円台4.8%の約3倍。また年収1500万円以上では6割近い人が「空き時間や待ち時間の活用を考え、雑誌や本、勉強ツールを持ち歩く」と回答している。仕事ができる人ほど自分の目標がはっきりしているので、この結果は当然といえるだろう。
一方で、「急に時間が空いたときは、街を散策するなどあえて予定外の行動をする」という人の割合が、年収500万円台が15.4%なのに対し1500万円以上が25.1%と10ポイントも上回っているのもうなずける。普段と違う行動をすることで新たな発見や気づきが生まれ、それがビジネスのヒントになることも少なくない。未来の自分への投資といってもいい。高生産人間はそのための行動にも自覚的だ。
「仕事は期限よりも前倒しで終わらせ、期限の前にもう一度内容を見直している」に「あてはまる」人が年収1500万円以上は19.0%で、500万円台9.6%の2倍という結果も興味深い。企画書でも原稿でも書き上げたあとしばらく寝かせておくと、第三者が書いたもののように客観的に見られるようになり、書き上げた直後には気づかなかった修正点が見つけやすくなる。だからこそ、締め切りギリギリではなく余裕をもって仕上げ、提出前に再確認することで精度を上げることができるのだ。
そして、ひとつの仕事を寝かしている間に別の仕事を進める。これが本当の意味でのマルチタスクだ。
人に頼めるならそれは、必ずしも自分がやらなければならない仕事ではないので、抱え込まず頼む。それが本当にやるべきことの時間を確保する秘訣といってもいいくらいだ。「人に頼める仕事は頼むようにしている」に「あてはまる」人は年収1500万円以上だと24.2%、4人に1人である。また、人に頼む場合はマニュアルやチェックリストなどの準備を整えたうえでできるだけ早く頼むこと。締め切り間近では、頼もうにも引き受け手が見つからず、結局自分でやらざるをえなくなってしまう可能性が大きくなるからだ。「人に任せる仕事を頼むときは、できるだけ早く頼むようにしている」という質問に対しては、年収500万円台が14.1%に対し1500万円以上だと2倍以上の31.0%が「あてはまる」と回答している。