「自分1人のパフォーマンスより、チームや周囲への貢献を重視」という項目でも、年収1500万円以上と500万円台とでは「あてはまる」の比率が21.6%に対し9.6%と、かなり差が開いている。これは要するに、自分の仕事のことだけより、チーム全体の効率や生産性を考えて行動する人のほうが、結果的に大きな果実を手にしているということにほかならない。1人なら6時間分の仕事しかできないが、自分が6時間働くのと同じ成果を挙げられる部下を10人育てれば60時間、さらにその部下がそれぞれ4人の部下を育成したら、全体で240時間分の仕事ができると考えればわかりやすいだろう。
この周囲というのはなにも職場や会社に限定する必要はない。究極的には世の中全体がよくなれば、1人ひとりもまた幸福になれると考えられる。「仕事を通じて世の中に貢献したい」が、「あてはまる」で年収500万円台は15.4%なのに対し、1500万円以上が28.4%なのは、仕事ができる人ほどそういう考え方をしているということだ。
「仕事や会社における自分の役割やポジションを把握できていると思う」という項目でも「あてはまる」人の割合が年収1500万円以上は44.4%と、500万円台の15.8%を大きく引き離している。高生産人間はまた、全体のパフォーマンスを上げることの重要性に気づいているだけでなく、そのなかで自分は何をやればいいのかということもきちんと理解しているのである。
※すべて雑誌掲載当時
gooリサーチとの共同調査により、時間の使い方に関するアンケートを実施。個人年収1500万円以上306人、500万円台311人から有効回答を得た。調査期間は2009年11月20日から23日。
(構成=山口雅之)