このように、カウンターカルチャーは絶えずモデルチェンジしつづけることになる。これこそ反逆者が、ファッションに敏感な人がブランドをどんどん取り替えるのと同じくらい速く、スタイルを選んでは捨てる理由である。
反逆者なのに消費文化の核心になってしまった
こんなふうにして、カウンターカルチャーの反逆は、競争的消費の主な駆動力になった。政治評論家のトマス・フランクはこう書いている(Thomas Frank, “Alternative to What?”)。
「『反逆』は『オルタナティブ』へのモデルチェンジによって、経済が加速させる一方の陳腐化のサイクルを見事な手際で正当化するという、従来の機能を果たしつづける。購買品でクロゼットをいっぱいにしたいという意欲は、見せびらかす商品が永久に変わりつづけることと、新しいものは古いものよりもいいとずっと思わされることに依存しているから、われわれは何度も何度も『オルタナティブ』は既存のものや以前のものより価値があると説得されなければならない。
1960年代以降は、『反体制』が、古い所有物を捨てて今年提供されることになったものを買うよう説きふせる惹句だった。そして年月を重ねるうち、反逆者はおのずとこの消費文化の核心をなすイメージとなった。目標も方向も定まらない変化と、『支配者層』──いや、もっと正確には『支配者層』に去年買わされたもの──を永久に許さない気持ちとを象徴して」