オリジナル商品がおもしろい

もうひとつ共通しているのが、両者とも、製造から販売までを一貫して行っていることです。いわゆるSPA(製造小売業)ですね。

「食」の分野でSPAをしているところは珍しいのですが、業務スーパーは自社グループ工場が25もあって、そこでPB(プライベートブランド)をつくっている。これが普通の商品に慣れた消費者からすると、斬新でおもしろいのです。

たとえば1リットルの紙パック入りのプリンやゼリー、杏仁豆腐のデザートなど、安さや量の多さに度肝を抜かれるような商品が多い。いまはコンビニやスーパーでもPBをつくっていますが、業務スーパーのような「おもしろい」商品は、ほとんどありません。

PBではありませんが、有名な「19円麺」(※1)シリーズの価格には驚かされます。

※1:税込みでは20.52円。店舗により取扱いや価格が異なる

また業務スーパーの店内にはダンボール箱がそのまま陳列されていて、そんな中で見たこともない輸入食材を見つけるのは、宝探しのような楽しさがある。店内の装飾にまったくお金をかけていないにもかかわらず、「ショッピングとはエンタメだ」ということを思い出させてくれるのです。

なぜワークマンプラスに「金ピカのメジャー」が?

いっぽうワークマンもSPA売上比率が59.7%と高いので、ここにしかないユニークな商品がたくさんあります。たとえば炎天下で肉体労働をする人のためのファンつき作業服や、作業服を裏返すとスーツになるウェア。「あのワークマンが、スーツ?」という驚きもさることながら、ふだん作業服を着ている人が、急にスーツを着なければいけなくなったときでも、いま着ている服を脱いで裏返すだけでいいというのは画期的です。

写真提供=ワークマン
ワークマンプラスの店頭。

また私が「さすが」と思ったのが、一般向けの「ワークマンプラス」の店頭に、建設現場などで働く職人さん向けの「メジャー」が置いてあって、しかもそれが金ピカだったこと。職人さんたちの中には、金の太いネックレスをしている人たちがいますが、この金のメジャーはそれとコーディネート的に響き合う。

「やっぱり、もともとのターゲットである職人さんたちのことを忘れていないんだな」と、ちょっとジーンとしてしまいました。

ワークマンはいま一般向けのカジュアルウェアが好調ですが、あまりにもそちらのほうに走ってしまうと、もともとのターゲットだった職人さんたちが離れていく。いちばん大事にしなければいけない、根幹の部分がずれてしまいます。そこはちゃんと、消費者の気持ちをわかっているのです。