義父の骨折「体重44キロが、35キロまで落ちた」
2015年4月。92歳になった義父は、突然廊下で転倒。知多さんと夫が助け起こそうとするとひどく痛がる。それでも「寝てれば治る!」と言い張る義父を尻目に夫が救急車を呼ぶと、義父は右大腿骨頚部を骨折しており、翌日手術することに。
6月。手術後入院していた義父の骨折は完治し、リハビリ病院へ転院。しかし、入院以降食欲が落ち、栄養不足を点滴で補っている義父のリハビリは、ほとんど進まない。
7月。義父は介護老人保健施設に移った。骨折前44キロだった体重が、7月末には35キロにまで落ちていた。
入所の際に、施設側から「この先、悪くはなっても良くなることは難しく、いつ急変するかわかりません。連れて帰るなら、比較的落ち着いている今です」という話があった。
知多さん夫婦は即答できず、義弟たちを交えて話し合うと、「連れて帰ることはせず、老健でお世話になる」という結論に。
老健からは「看取り」についての説明もあり、その後も度々「ご家族のみなさんが後悔のないようにしてくださいね」と声をかけられた。
「私は口に出して言ったことはないですが、関東の家を処分してこちらで家を建て直し、その後約3年同居。傲慢かもしれませんが、それだけでも十分義父孝行できたのではないかと思います。当時、私は還暦を過ぎ、夫は65歳を超えていました。私自身の体調にも不安があります。全介助が必要になった義父の自宅介護は、できるなら避けたいと思いました」
知多さんは、若い頃からメニエール病を患っており、年に何度か体調を崩すことがあった。
義母の認知症「廊下に尿がポタポタ落ちていることは日常茶飯事」
義母は義父の面会に行っても、状況が理解できていないようだった。
義母は、家では節約のためにリハパンをはかないことが多く、廊下に尿がポタポタ落ちていることは日常茶飯事。同居当初から義母は一番風呂に入り、後に知多さんが入ろうとすると、尿臭が充満しているのはいつものことだったが、大のほうが落ちていることが増えた。
2016年、義母はデイサービスの利用を開始。
義母はデイサービスから帰宅すると、他の利用者の悪口ばかり。その上、「私はあの人たちとは違う。全部自分できちんとできる」「『また来てね』と頼まれるから行ってやってる」といつも上から目線でものを言う。