過去を棚卸して、固定観念や偏った自己評価から抜け出す
■ステップ1 人生の棚卸し(とげぬき)
最初のステップは、過去の人生の棚卸しをして、余計な記憶となっている固定観念や偏った自己評価を「とげぬき」するというものです。健康でいえばデトックス、クレンジング、大掃除ということになるでしょうか。
「とげ」は悪いものではありません。ただ可能性を阻害するだけです。人は、記憶や体験にしばられて価値観を形成していきます。その価値観に基づいて行動し、人生が方向づけられていきます。皆さんも(私自身も)過去の人生で起こったこと、原体験に自然に縛られています。そうやって社会と折り合いをつけてゆき、ストレスを減らしてきたのでしょう。
しかし、それらの記憶や体験がトラウマとなってあなたの天才性を覆い隠してしまっていることがあるかもしれません。
ですから、まずは物心ついた頃(5歳から現在に至るまで)に起こったこと(人生のイベント)、それに対する当時の感情、今思い起こしてみた時の感情などを洗い出してみましょう。沸き起こった欲望や妄想、持っていた偏見、強い怒りの感情や、後悔の念、消化されない憎悪、それらすべてを紙(シート)に書き出してみましょう。
感情にとらわれず、ただ書き出す
念押ししたいのは、これらは決して「よくないもの」ではない、ということです。ただ単に自分の中に存在しているだけのもの。ですから、いたずらにこれらの感情にとらわれず、淡々と書き出せるといいですね。
それでも最初は「こんなことを感じていた自分が恥ずかしい」とか、「こんな感情は誰にも話せないよ!」と思うこともあるかもしれません。書き出すこと自体が苦しい時があると思います。その時は、無理せずにできる範囲で行ってください。もし苦しくなったら書いた紙は棄ててしまってください。
これを続けていくと、徐々に少し本心・本音を書き出せるようになるかもしれません。そうなったらもうけもの。もうあなたの「とげ」は溶け出しています。あとは時間が、とらわれていた過去のあなたの考えをすっかりやさしく洗い流してくれるのを待つだけです。
その後、シートをもとにメンタリングを受けたり、仲間とワークショップなどを行ったりして、自分の棚卸ししたもの(のうち、外に出せるもの)をシェアしてフィードバックを受けると、より深く自分の固定観念や偏った自己評価への理解が進むと思います。
繰り返しになりますが、過去の事柄も感情も否定する必要はありません。良いも悪いもなく、「ただ存在しているだけ」なのです。
ですから、これらを評価することなく、「ふむふむ」と客観的にみつめていてください。それらをやさしく包み込んで溶解していくのです。