残業がないこと、副業OKは重要な条件

【佐藤】私は、やっぱり好きなことができるかどうかですね。もともと人のやりたいことに協力するのが好きなので、「対ひと」でできる仕事がしたいです。それと職場の環境も大事。尊敬できる人や好きな人がいて楽しいと思える、毎日行きたいと思える職場で働きたいです。

【山岸】私はやりたいことができるかどうかと、その企業に自分が何かしらの価値を提供できそうかどうかです。それと残業がないことや副業OKも大事な条件。学業のかたわら副業をしているので、それが続けられない企業には行きたくないです。考えてみたら、実はここがいちばん重視したポイントかも(笑)。いま内定している企業は全部の条件をクリアしているので、もう他社を受けるつもりはありません。

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【原田】副業OKという条件は、今の若者らしい考えかたかもしれません。日本はまだ副業禁止の企業が多いけれど、そうした企業は今後、若者から選ばれなくなっていく可能性がありますね。ただ副業をすると社内からの嫉妬もあるし、本業がおざなりになるという意見も出たり、大変なことも多いんでしょうね。そのほかに「こんな企業がいいな」という意見があったら教えてください。

役員一覧に女性がいるかをチェック

【佐藤】出社とテレワークを自由に選べる環境がいいです。最初は同期や先輩とのネットワークをつくりたいのでもちろん出社はしたいですが、毎日は疲れるかなと。週1回テレワークができると、気持ち的にも余裕がもてる気がします。

【原田】僕が色々な大企業に調査をすると、意外とテレワーク希望は中高年の社員のほうが多いです。要は通勤時間の1時間〜3時間を育児や家事に割けるから。一方、社内ネットワークを築いたり、仕事についての質問をしたい若手社員は、全テレワークには否定的で、出社と互い違いにしてほしいという意見が多い傾向があるそう。佐藤さんもこうした傾向と同じ意見を持っているということですね。コロナをきっかけに「地方移住」のロマンが語られているけど、人口の東京近郊一極集中はZ世代が社会人になっても変わらなそうですね。

【山岸】私はフレックス制があって福利厚生が手厚く、女性活躍が進んでいるところならいい働き方ができるかなと思っています。通勤ラッシュは避けたいし、東京で一人暮らしするなら福利厚生の一つとして家賃補助は絶対必要。そうした形で社員を大事にしてくれて、かつ女性が活躍できる環境で働きたいです。就活の時も、役員一覧に女性がいるかどうかは必ず見るようにしていました。「女性の採用を増やします」ってうたっている企業でも、サイトを見ると女性役員がいなかったりするんですよね。だったら私も活躍できないのかなって。

【原田】女性向けの商品をつくっている会社でも、役員となるとおじさんばかりで女性がいなかったりしますよね。でも、それは日本がずっと男社会で来たからで、最近はそこから脱却しようとしている企業も出始めている。現時点では女性役員がいなくても、それがその企業の現在の姿勢かどうかは判断しにくい部分はあるかもしれませんね。

【佐藤】確かに、その企業が女性活躍をどう考えているかは、現時点の女性役員の数より、打ち出している施策でわかる気がします。個人的には、丸紅の「総合職女性5割」は違うかなって感じ。半々にすりゃいいってもんじゃないって思っちゃいます(笑)。その施策に自分が嫌悪感を持つかどうかで、いい働き方ができそうかどうかの印象も変わりますね。

【原田】なるほど。女性が活躍できる風土があるかどうかは、働き方にも大きな影響がありそうですからね。男性陣は「こんな職場がいい」といった希望はありますか?