2020年に行われた、人生の満足度に関する調査を見ると、「人生を楽しんでいない」と答えた人は約36%であり、3人に1人以上が「人生、生活に満足していない」と答えています。

さらに、コロナ禍以前に比べ、生活満足度が大幅に低下しており、特に生活の楽しさ・社会とのつながりといった分野で低下幅が大きいという調査結果が、内閣府より発表されています。この図表は、「まったく満足していない」を0点、「非常に満足している」を10点とし、満足度を数値化したものです。

私たちの人生は、ときとして自分以外のものに大きく影響され、なかなか思う通りにはいきません。その中でどうするか、それが一人ひとりの決断であり、人生でもあります。

自分にとってなにが幸せなのか

この度上梓した『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』は、2017年1月に刊行した『2800人を看取った医師が教える人生の意味が見つかるノート』を大幅に加筆・再編集したものです。

それから4年以上の月日がたちましたが、「人生の意味」について考えることの重要性は、さらに増しているように感じます。

コロナ禍もさることながら、今後、日本では少子高齢化がますます進み、医療者や病院、病床の不足が深刻化すると考えられます。生きることに困難を感じる場面も増えるかもしれません。

そうした中で、私たちがより良く生きていくためには、たとえどんな状況にあっても、自分を笑顔にしてくれるもの、自分を支えてくれるもの、つまり「自分にとって本当に大切なもの」に気づく必要があります。

そして、人生の意味を考えることは、自分にとって本当に大切なものに気づくことであり、自分にとって本当に大切なものこそが、私たちの人生に意味を与えてくれるのだと、私は思います。

ただ、元気に生きているとき、私たちはなかなか、その大切なものに気づくことができません。人生の終わりが近づいてきたとき、初めて、それが何であるかを知ることも多いのです。ですから、これからの人生を、少しでも悔いなく生きるために。より良く生きるために。ここであらためて、みなさんにおききします。もしあなたの人生があと1年しかないとしたら。あなたは何をしますか? あなたはどう生きますか?