ビジネスも、解はひとつではない

他者が見ている世界に思いを馳せるうえで、アートは有効です。アートにはいくつもの解釈が成り立ち、見る側に委ねられています。たとえば青と白のラインが描かれた絵があったとして、それが「海」に見えたとすれば、その解釈は間違いではありません。ただ、その作品が実は「細胞」を描いた作品ということを知ると、「そういう見方もできるのか」という驚きとともに、違う視点が生まれます。

左の版画、小野耕石/右の彫刻、大塚諒平

コミュニケーションを成立させるためには、自分を確立させるだけでなく、他者を理解する必要があります。これはビジネスでも同じことで、顧客や取引先など、ステークホルダーとのコミュニケーションをとるうえで、「解はひとつではない」という意識をもつことは、大切です。

多様な視点をもつようになると、より大きな意味でビジネスや目の前の仕事の意味を捉えることができるようになります。「仕事は自分や家族の生活のため」という考え方もありますが、視点を変えると、より大きな意味が見えてくることもある。こうした視点の切り替えから、たとえばSDGsにつながるような、社会課題を解決するユニークなビジネスが生まれてくるのだと思います。

(構成=小林 義崇)
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