※本稿は、小川大介『「見守る」子育て』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
知識を教え込むより「なんでだろうね」
子どもを賢い子に育てたいなら、知識を教え込むよりも効果的なことがあります。
「なんでだろうね」
「このあとどうなりそうかな」
こうしたフレーズを家族が口にする習慣を持つことです。「なんでだろう?」と思うことで、お子さんは自然と頭のいい子に育ちます。
「知ってる・知らない」で終わると、学びはそこで止まります。大事なことは、「それ知ってる、でもなんでそうなっているんだろう?」と一歩踏み込むかどうかです。
親御さんが日頃から「なぜだろう?」「どうなるんだろう?」と問いを口にするご家庭では、お子さんが頭を使う機会が自然と増えるのですね。
「なんでだろうね」を考えることは「因果関係」、つまり原因や理由を探ることです。
たとえば「夕日ってなんで赤いの?」と子どもに質問されて調べた結果、「光は赤や青や緑、いろんな色に分解できて、その中では赤が一番遠くに届きやすい。空気中には水蒸気やほこりのような障害物があって光の波長を邪魔するから、夕日は青や緑ではなく、一番遠くまで届く赤い色に見える」ということがわかったとします。
「光の波長として赤が遠くに届きやすいから赤く見える」――まさに科学ですよね。
子どもの質問攻撃も、楽しくなってくる
このようないかにも科学的な話題に限らず、「なんで今日の晩ごはんも、サンマなの?」「今は旬だからおいしいし安いのよ」「へぇ、旬って安くなるんだ、なんで?」といった会話でもいいわけです。科学的思考とは原因や理由を考えることですから、子どもの「なんで? なんで?」の問いは、それ自体がもう、科学的思考なのです。
こんな視点を持つと、子どもの質問攻撃も、ちょっとワクワクしてきませんか?
「このあとどうなりそうかな」という問いかけは、応用力を育みます。「今ある材料からそのあとどうなるかを考える」というのは、つまり応用するということだからです。