「物語の続きを勝手に作る」遊びもおすすめ

たとえば、AI技術について。ニュースで「AIの技術進歩によって通行ゲートの顔識別も瞬時に完了できるようになりました」と流れたら、「AIの進歩はすごいね、これからどうなっていくんだろうね?」と問いかけてみます。今後の展開をお子さんと一緒に想像してみるのですね。

「監視カメラも高性能になるから、犯罪が減るのかな?」
「でも映画みたいに変装のマスクをかぶったらばれないんじゃないの」
「そんな映画みたいにはいかないんじゃないかなぁ」
「なんで? きっと3Dプリンターで簡単に作れるよ!」
「そっか、そうすると何が本当かわからなくなってきそうだね」

といった話が、関心のままに広がると思います。

このように、「どういうことが起きるだろうね」とか「どうなるのかな」と想像してみることは、答えのない問題に対して、自分なりの考えを持とうとする力の土台を育んでくれます。

ほかにも、「物語の続きを勝手に作る」という遊びもおすすめです。

たとえば『桃太郎』なら、元々の物語は「鬼退治をして、村に帰ってきました。めでたし、めでたし」で終わりますね。そこから、「このあと、桃太郎はどうしたんだろうね?」と考えてみるのです。

「鬼の子たちがかわいそうになって、財宝を返しに行った!」
「おじいさんが怠け者になって、おばあさんに怒られた!」

などと、なかなか盛り上がりますから、ぜひやってみてください。

開いた本の上に家や川などの世界が広がっているイラスト
写真=iStock.com/SIphotography
※写真はイメージです

無意識に使う「NGワード」が学びを止めてしまう

子どもは自分の心が動いたことをきっかけに、学ぶ力を日々育てているわけですが、親御さんが悪気なく、学びを止める「NGワード」を発しているときがあります。

ここではよくあるNGワードをご紹介します。もし心当たりのワードがあれば、使う回数を減らしていけるようにちょっと意識してみてください。

●NGワード1「さあ、知らない」

子どもに「これ、なあに?」と聞かれて「さあ、知らない」。「知らないことは聞かないで」というような答え方をしている親御さんがけっこういらっしゃいます。おそらく、「子どもに何か聞かれたら正解を教えなくてはいけない」と思うあまり、知らないことは答えられないという気持ちから、突き放してしまうのでしょうね。

でもね、必ずしも親御さんが正解を教えなくてもいいんです。「知っている、知らない」ではなく、大事なのは、知るまでのプロセスです。「さあ、知らない」の代わりに、「お父さんも知らないから、一緒に調べようか」「わかんないなぁ。じゃあ、一緒に本を読んでみようか」などと、次につながる言葉を選んでみてください。

大人同士でも「あれ何かな?」と口にしたとき、「さあ、知らない」としか返さない人と、「確かに、何だろうね。不思議だよね」と返事をしてくれる人、どちらと付き合いたいかといえば、後者ですよね? 私が前者の返し方をされたら、確実にショボン……となってしまいます。