多様な価値観に触れられるアートの存在

私が現在アートと関わりながら思っているのは、「三島由紀夫が死ななくてもいいような世界をつくりたい」ということです。多様な価値観が社会で認められ、それぞれの価値観が他者と共有できる、そんな“あそび”のある社会を作るためのお手伝いをしたいと考えています。そうした社会には、多様な価値観に触れられるアートの存在が不可欠です。

身近なことに当てはめると、ビジネスでは時に短期的な数字に追われて苦しくなることがあるでしょう。指示どおりに仕事をしているのに結果を出せないとなおさらです。そういうとき、少しだけやり方を変えてみたり、時間軸をずらして長期的な視点から目標を再設定したりするといい。こういう考えを、私は「煙に巻く」なんて言ってみたりしています。

和佐野有紀さん
撮影=西田香織

ひとつの物事を突き詰めて苦しくなるときは、少し視点をずらしてみて自分自身を煙に巻いてあげることで、意外な解決法が見つかることもあるでしょう。何より、仕事が楽しくなると思います。