わかりやすく伝える「2つのポイント」

話し手であるあなたがどんな人なのか。聞き手にコンパクトかつ、わかりやすく伝えるためのポイントは、2つあります。

犬塚壮志『人気NO.1予備校講師が実践! 「また会いたい」と思われる話し方』(朝日新聞出版)

・キャラクター(人間性)

→あなたの人間性であり、あなたが信頼に足る人物かどうかのアピールになる

・コンテンツ(知識やスキル)

→知識やスキルに直接ひもづくものであり、あなたの話が聞き手にとってどんな「トク」になるのかを伝える役割を担う

大切なのは、誰かに話をする前に付け焼き刃で準備するのではなく、事前に2つのポイントを押さえた自己紹介文をつくっておくこと。

箇条書きでもかまわないので、300~1000文字の自己紹介文をまとめておきましょう。すると、実際にあなたが話し手となるとき、聞き手や話をする状況に合わせて自己紹介にまとめ直すことができ、便利です。

聞き手に合わせて、言葉を変える

たとえば、予備校講師という文脈での私の場合、キャラクターには……

・授業はわかりやすくて当たり前。どんなにいい授業をしても、受からせなきゃ予備校講師としては失格、かモットー

・どんな冷めた生徒でも勉強のやる気が引き出される、漫画の『ONE PIECE』のルフィのようなポジティブさが売り

コンテンツには……

・業界最難関といわれている駿台予備学校の採用試験に当時、化学科最年少の歳で一発合格

・生徒を合格させることをとことん追求したその講義で、偏差値30台からでも国公立大・早慶理科大をはじめとする難関大学に合格する受講生を数千人単位で輩出

・化学がまったくできない偏差値30台の生徒も身につけることができる、受験の王道をいく本質的解法テクニックを提供できる

といった内容が入ります。

写真=iStock.com/onurdongel
※写真はイメージです

しかし、これは予備校講師としての対受験生向けの自己紹介を切り取ったものです。著者としての顔で対編集者向け、研修講師としての顔で対ビジネスパーソン向けであれば、当然、内容は異なってきます。

聞き手が変われば、話し手に求められる信頼の要素も変わります。その変化に対応できる自己紹介を用意するイメージを持って、あなたなりのポイントを書き出し、聞き手の「この人は誰?」に対処してみてください。

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