信じられない! 半沢と大和田が手を組むことになるなんて
伊佐山に裏切られ、傷心で身も心もボロボロになった大和田に、救いの手が差し伸べられる。過去の宿敵・半沢である。半沢が手を組まないかと、交渉を持ちかけた。
「部下に裏切られて退散ですか。だったらあなたこそ負け犬だ! 私は、あなたが見返すカギを握っている。私を利用しませんか」と地下駐車場で大和田をたき付ける。
冷静さを欠いた大和田は、すがる思いだったのだろう。プライドをかなぐり捨てて、飛びついてきた。過去に、土下座をさせられた半沢の手ごわさを、誰よりも知っているのは大和田なのだ。
一方で、常に冷静さを保ち、勝負時に着実に攻め入る、半沢の心理戦は見事なものだ。金融マンに必要とされるスキルである。
そして、500億円の追加融資を決める役員会議を迎える。大和田が「この案件には大きなリスクがはらんでいる」と反対意見を述べた。「詳しい者が説明する」と言い、役員会議に招き入れたのは、半沢だった。大和田と半沢が手を組んだ瞬間である。SNSでは「最強タッグ!」「まさか手を組むなんて」と日本中が驚愕した。
ここからは、詐欺まがいの買収スキームに、半沢が不正を暴く爽快劇が始まる。「倍返しだ!」電脳には50億円もの赤字があったことが、役員たちの前で暴かれた。
東京中央銀行の稟議書はゴミくずだ! ビリビリに破く半沢
粉飾を行った電脳に、まんまと騙されかけた東京中央銀行。スパイラルを買収しようとしたのも、粉飾を誤魔化すための隠れみのとして利用するつもりだったのだ。
担当の伊佐山は、なぜ電脳の粉飾を見抜けなかったのか。それは権力に固執することで、企業のうわべしか見ておらず、本質を見誤っていたからだ。バンカー失格である!
半沢は伊佐山の書いた稟議書をビリビリに破り、「ゴミクズだ! どう責任を取るおつもりですか? 伊佐山部長」と迫る。
伊佐山に期待を寄せていた三笠副頭取はあっさりと手のひらを返し、伊佐山を切り離す。
「半沢君に今までの非礼を詫びたらどうだ。詫びろ、伊佐山。詫びろと言っているんだ、伊佐山!」と冷たく突き放した。
伊佐山は、土下座をしたのか。いや、彼は土下座すらできなかった。怒りと悔しさが入り混り、苦悶の表情でただガタガタと震えただけである。ただ、冷静に考えると、あの場で無理やり謝罪を迫る三笠副頭取の行動も謎だ。