資料のフォーマットを決めれば負荷が減る

経営会議には、各部門の意思決定者が出ているわけですから、共有された情報に対して、評論家のように意見を言うだけでなく、批判をする場合は対案を示すなど、建設的な会議を行なうことが求められます。現場では調整できなかった組織をまたぐ決めごとや、会社の戦略に関わる意思決定をズバズバとスピード感をもって決めていかないと社会や市場の変化に乗り遅れます。評価軸を決めて「GO」か「NO GO」かをしっかり決める、という意識を持ってみてください。

また、経営会議の資料のフォーマットは統一し、作成のルールを決めましょう。たとえば、「各アジェンダはA3用紙1枚でフォントサイズは18ポイント以上とする」というルールにすれば、役員も作成者も負荷が減ります。重要な部分が一目瞭然で、忖度して資料を作成する時間が減ります。

情報共有はいまやチャットで十分

そもそも「情報共有」だけであればSlackなどのITツールを使えば、目的は達成できます。その「情報共有」に教育・啓蒙が伴うのであれば集まる必要もありますが、すべての「情報共有」の会議がそうではないはずです。

弊社では、「情報共有」の会議をゼロにしました。共有すべき情報はすべてデジタル化して、メンバーがネット上で即座に確認できるようにしています。以前は、オンライン会議で情報共有を行っていましたが、デジタル化しても問題はなく、むしろ会議の時間が減って自由な時間が生み出されました。

「情報共有」の会議では、まずアジェンダが決まっていなければ、目的に沿ったアウトプットは出ません。もし会議の主催者がアジェンダを事前に設計していたとしても、それが参加者に伝わっていなければ同じく成果は出ません。暗闇の山道で、地図も懐中電灯も持たずに目的がわからないまま歩き続けると不安で帰りたくなるのと同じです。

そこで、クライアント企業の会議の改善策として、アジェンダを開始24時間前に参加者へ周知し、必要な情報交換は会議までにチャットなどで行ってもらうようにしました。このルールを約9000名に2カ月間試してみたところ、定例会議の開催時間が半分になり、社内会議に費やす時間はトータルで18%減少しました。ムダな会議が見事にあぶり出され、改善されたわけです。