「情報共有」の会議を毎週開催するムダ

まず、会議には3種類しかありません。「情報共有」か「意思決定」、そして「アイデア出し」です。3種類の会議のうち最も評価が低く、効果が出ていなかったのは「情報共有」の会議です。

越川慎司『働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法』(日本実業出版社)
越川慎司『働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法』(日本実業出版社)

驚くべきことに、「情報共有」の会議の約30%でアジェンダ(議題・目的)が設定されておらず、全員がイスに座ってから「議題のある人?」と聞いている始末でした。目的が決まっていなければ、もちろんアウトプットは出ません。とくに「定例会議」がこの傾向にあり、メンバー同士で集まることが目的になっていました。

確かに、チームで共通の目標を達成すべく士気を高めるうえでも、メンバーで集まって議論することも重要です。しかし、こういった単に情報を共有するだけの会議を毎週開催する必要はありません。

組織として実行するための意思決定、課題解決のアイデア出しに注力する会議なら意味があるでしょう。しかし、情報共有のためなら、対面の会議はなるべくダイエットすべきです。

20%の資料は読まれずにゴミ箱へ

また、社員1000名以上の企業で1時間の経営会議をするのに、現場の社員たちは平均73時間かけて準備し、その65%は資料の作成に費やしているという調査結果が出ました。

その結果を見ると、会議スケジュールは10分刻みにアジェンダがセットされ、各部門の代表が情報を共有して終わり、というパターンが圧倒的に多かったのです。さらに「頑張ってたくさん資料を作れば評価されるのではないか」という妄想を持つ社員がいることで、経営会議での資料の枚数は増えていきます。

しかし、追加調査をしたところ、作成された資料の40%は経営会議で使われませんでした。ページをめくられることすらない資料も20%以上あり、作成時間はムダだったのです。

こういった経営会議の問題を根本的に解決するには、「決める会議」に変える必要があります。

アンケートからも明らかになったように、現状として、経営会議のほとんどが「情報共有」の場になっており、コストパフォーマンスはきわめて低いです。