緊急事態宣言が解除されて、通勤電車や職場は以前に戻りつつある。それにつれて「みんな、会社にカムバック!」「リアル会議バンザイ!」などと、元気を取り戻す“会議おじさん”たちがいる。公私ともに忙しい部下たちにとって迷惑でしかない彼らを改造する唯一の方法とは――。
3つのビジネスマンのミーティング、コンファレンスルーム
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Yagi‐Studio)

オンライン会議でバレがちな「あの人たち」の残念さ

オンライン会議ツールの開発会社へ、「会議出席者がみんな同じ大きさだと困る。社長や役員など、偉い人順に画面上で大きく表示される方法はないか」という問い合わせがあったのだ、しかも複数、という話を又聞きして、腹の皮がよじれるかというくらい笑った。

どこかの組織でオンライン会議をやってみたのだろう。そして、普段エライはずの社長や役員やブチョーが、画面の隅っこから著しく精彩に欠ける小さく弱々しい風貌と聞き取りづらい声で、実にどうでもいい精神論とか「今こそ全社一致して立ち向かうべき未曾有の危機」みたいな誰でも言えることを長々と喋るうちに、他の若手社員たちの目が次々と死んでいき、そっと画面を静止画に変えてどこかへ休憩に行ったりSNSを見始めたり、隠れて「どうぶつの森」の続きをしたりするのを見て、側近や部下が

「ヤバい、オンライン会議は上司たちが本当は偉くもなんともないのがバレてしまう」

と、「未曾有の危機感」を抱いたのだろうと思う。