新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中、在宅勤務から出社に切り替える企業が増え、通勤ラッシュも復活し始めました。7月に入って1日の感染者数が過去最高を記録する日も。職場でとるべき対策とは、そして今後目指すべき働き方とは──。『病気は社会が引き起こす』の著者、木村知先生に聞きました。
バーテンダー
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なぜ通勤ラッシュが復活するのか

5月下旬に緊急事態宣言が解除されて以来、東京では朝の通勤ラッシュが徐々に戻りつつあります。これは、宣言中はリモートワークを実施していた企業が、解除後に出社して働くスタイルを復活させたためだと思われます。

もちろん、業種によっては出勤が必須のところもあるでしょう。しかし、宣言中のおよそ2カ月間、リモートで仕事ができていた企業なら、今後も続けることは可能なのではないでしょうか。新型コロナウイルスは収束していないのに、なぜ元のスタイルに戻すのか、私には不思議に思えてなりません。

これは、働く=会社にいるべきという「出社の伝統」があるからではないでしょうか。ただ単に伝統に従っているだけなのか、それとも本当に顔を合わせないと仕事にならないのか、各企業にはいま一度真剣に考えていただきたいと思います。

最近では満員電車のほか、職場内クラスターを危ぶむ声も上がっています。会社の方針に従って出社しているけれど、席の配置上フィジカルディスタンスがとれなくて不安──。そう思いながら働いている人もいることでしょう。

席についている時にとれる対策としては、互いに飛沫が届く距離ならマスクをつける、こまめに換気をする、の2つが挙げられます。ただ、高層ビル内のオフィスは窓の開閉が禁じられていることも少なくありません。その場合はドアを開放する、空調を調整するなどして、できるだけ新鮮な空気が循環するよう心がけることが必要です。