政治思想で「色分け」され攻撃対象に

昨年はじめから始まった民主化運動のさなか、「ごく普通の市民が働く店や企業」が経営者らの政治的指向をもとに色分けされるという事態が起きた。明らかな親中派だけでなく、デモを批判しても警察寄りだと非難対象とされ、過激な活動家により店舗等が徹底的に破壊されるという事案が香港中で頻発。経済的被害だけでなく「色分け」によって社会が分断されるという遺恨をも残している。

筆者撮影
香港の地下通路の様子。活動家らが、郊外の住宅地につながる通路に張り紙をして主張を述べている

まもなく香港の返還記念日である7月1日がやってくる。返還から23年を経るなか、多くの香港市民は大きな無力感を感じ、一方で中国の人々は「これで安心して香港に行ける」とでも思うのだろうか。今までと違った香港が生まれることは間違いないだろう。

関連記事
「香港に英国市民権」奇策をぶち上げたイギリスが恐れる中国の視線
中国の観光業者が予想「これから中国人がやってくる日本の観光地」
「韓国が大嫌いな日本人」を、世界はどのように見ているのか
「アベノネクタイ」安倍首相の迷走ぶりは首元に表れている
韓国でGU全店閉鎖を招いた「異常な反日」が終わりを迎える理由