中国国民は政府のウソを見抜いている

中国は焦っています。新型コロナの対応で感染地域を武漢だけに封殺することに成功したものの、財新中国製造業PMIのインジケーターは現実として新型コロナが中国製造業に大打撃を与えたことを示しているのです。

すでに中国国内に5000万人もの失業者が街に溢れ、中国政府への不信感や対応に強い不満を持っています。最終的に共産党が倒されるかもしれないXデーを恐れているのです。中国の歴史は内乱の歴史。約2000万人が亡くなり、人類史上最大の内乱と言われる「太平天国の乱」が1851年、清朝の中国で起こっていることもあり、共産党が最も恐れているのは内乱なのです。

情報統制が行われている中国国内では、国民の言論は奪われているように思われていますが、その実、一部の賢い中国の若者は政府がウソを言っていることを知っています。海外の回線を使い、新型コロナは中国に問題があるとWeb動画で主張する中国の若者が散見され、その後、行方不明になっていたことも記憶に新しいのではないでしょうか。真偽の程はわかりませんが、当局が絡んでいる可能性は否定できません。

中国が最も恐れるのは内乱

全人代前には中国当局への言論者の拘束も相次ぎました。国内では経済発展に取り残された民衆によって年間、20~30万件の暴動が起こされています。格差に絶望した中国人はキリスト教へ入信を続けており、1億人を突破しています。上述した太平天国の乱についても、中国のキリスト教信者によって起きたとされています。現在当局がキリスト教を弾圧する動きを見せていることからも、かつてない内乱を中国は恐れていることがわかります。

これまで世界と中国市民は、中国の成長に寛容的でした。諸外国は中国が経済発展とともに、「民主化への理解を得るだろう」との期待をしていたのでしょう。また、中国人も「経済発展で自分たちの生活が豊かになるなら」と、一党独裁体制を許容してきました。実際、中国は強靭な経済発展を続けてきました。1990年の中国のGDPは、日本のGDPの7分の1程度の小国に過ぎませんでした。しかし、今は日本のGDPを2.5倍以上となっており、年々米国との差を縮めています。

この新型コロナとそれに端を発する経済危機により、中国は窮地に追いやられています。