いわき名物、生よりうまい!「うに貝焼き」がぎっしり

大川商店/うに缶

福島県は北海道、岩手に次いで3番目に広い県だ。ゆえに天気予報は県をタテ3つに割って解説される。太平洋側が浜通り、中央盆地が中通り、西側が会津地方であります(かなりざっくりしているが、まあまあ当たる)。

中通りで生まれた僕にとって、浜通りは憧れだった。親戚が集まれば海沿いのいわき市からかつお1尾を取り寄せ、皮付きのまま刺身にした。新鮮で臭みがまったくないかつおは素晴らしくウマく、

(浜通りの人は毎日こんなご馳走を食べているのだ)

と妄想した。

そのいわき市の知られざる名物が、「うにの貝焼き」。ほっき貝の大きな殻に、むきたてのうにをたっぷり盛りつけ、石窯などで蒸し焼きにするという豪快な料理だ。

「うにに火を通すなんてもったいない」と思う人もいるだろうが、味はスーパーエクセレント。加熱によって水分が抜け、うまみが濃くなるのであります。福島出身の発酵学者・小泉武夫氏も「生より美味しい」と豪語しているくらいだ。

撮影=黒川勇人
大川魚店/うに缶(むらさきうに)100g 税別3000円

そんないわき市にある鮮魚店「大川魚店」が販売する「うに缶」は、うにの貝焼きそのものの味がする。まるで栗のように甘くほくほくしており、舌ですり潰すと芳醇な海の味が広がる。

毎年うにが獲れる時期から売り始め、売り切ったら販売終了。翌年の製造までおあずけである。むらさきうにを使った「うに缶」はどちらかといえば上品な味で、「赤うに缶」は濃厚そのもの。

撮影=黒川勇人
大川魚店/赤うに缶(ばふんうに)100g 税別3500円

でも赤うに缶は希少で、年間数十缶しか製造できないらしい。もしも買えたら、あなたは幸運であります。

■通販サイト:大川魚店ホームページ

干し大根の生産量日本一・宮崎県のたくあん缶で焼酎が進む進む……

道本食品/宮崎の焼酎に合う割干し大根漬

「どげんかせんといかん」

こう言ったのは、元宮崎県知事・東国原英夫氏。実際の宮崎弁はちょっと違うらしいが、それはこの際おいといて。同じ言葉を言ったのは、宮崎市田野町にある漬物製造販売「道本食品」の社長、道本英之氏であります。

田野町は干し大根の生産量が日本一で、晩秋になると大根を干すための巨大なやぐらが立てられる。そこに漬物専用品種の大根を干し、寒風と太陽にさらせば、水分が抜けてうまみが増した干し大根ができる(実際は、雨が降ればシートを掛けたり、寒すぎる日には凍結を防ぐためにヒーターをつけたりと大変な作業)。

しかし近年は、青首大根を脱水加工して造る即席たくあんが市場を席巻している。安価だからだ。これに道本社長は危機感を抱いた。

本物のたくあんが売れなくなれば、生産者の生活が立ち行かなくなる。干し大根という文化も消えてしまうかもしれない。そこでたくあんを缶詰化して、より手軽に買ってもらおうと考えた。

撮影=黒川勇人
道本食品/宮崎の焼酎に合う割干し大根漬70g 税込み330円

とはいえ同社は漬物会社。缶詰を手掛けるのは初めてのことで、殺菌のための加熱でたくあんが“煮大根”になったり、逆に加熱不足で殺菌が不十分だったりと失敗の連続だった。でもでも「どげんかせんといかん!」とあきらめず続けた結果、ついにたくあん缶が誕生したのだ。快哉!

「宮崎の焼酎に合う割干し大根漬」も、そのバリエーションのひとつ。

撮影=黒川勇人
割干し大根に宮崎の甘い醤油が染み込んでいる

たくあんよりもさらに水分を抜いた割干し大根を甘い醤油に漬けたもので、味もウマいが食感がすごい。噛むと「がりっ」と快音が響くのだ。缶詰でこの歯応えが出せるのは驚くほかなく、従来の缶詰を超えた「ビヨンド缶詰」とも呼べるものであります。

■通販サイト:道本食品株式会社ホームページ(オンラインショップ有り)