「女性に難しいことを語ってほしくない」という世間の本音
日本では特に「女性」のタレントに対して「キャンバスのように真っ白であってほしい」と望むファンが少なくありません。
テレビ番組も「年上の男性がきれいな女性タレントに何かを教えてあげている」ような構成になっていることが少なくありません。そういった中で女性タレントは自分の意見を言うことよりも、「うん、うん」と相槌を打つことが求められている印象です。冒頭で紹介したきゃりーぱみゅぱみゅさんの場合も、意見の発信後に即「男性」から諭される流れになってしまいました。
「真っ白なキャンバスのような存在」でいることを求められている日本の女性タレントが「お弁当」や「子育て」「ファッション」以外のテーマ、例えば政治について発信すれば、すぐに「え? いきなりどうしちゃったの?」と不思議がられてしまいます。
そこには「タレントは政治的発言をすべきではない」という考えのほかに、「女性に難しいことを語ってほしくない」という困った世間の本音も見え隠れしているのでした。
日本では政治家の世襲が多く、しばしば問題視されています。しかし「元から政治に縁のある人」にしか政治的な発信が許されないのだとしたら、それこそ間接的にではありますが、世襲の政治家を応援してしまうことにつながります。
いっけん政治に縁のないと思われる人の発信にも耳を傾けないと、政治の世界はますます「世襲のおじいさんだらけ」になってしまうのではないでしょうか。