韓国経済、5G関連でとばっちり受けないか戦々恐々

さて、ウォンの大暴落以外にも韓国経済には大きな課題があります。それは「5Gの覇権争い」です。

5Gの覇権争いは、米中貿易摩擦の原因の一つになっています。米トランプ政権は中国政府の影響下にあるファーウェイ社に対し、「自社の通信機器を悪用してスパイ行為を行っている」と主張し、制裁を課しました。この制裁に関して実は、韓国も「明日は我が身」と感じ、警戒をしています。

ドイツのデータ分析会社「IPリティックス」のデータによると、5G標準必須特許出願企業のシェアは、ファーウェイ(15.5%)、ノキア(13.8%)、サムスン(12.7%)、LG電子(12.3%)、ZTE(11.7%)となっています(19年3月時点)。韓国勢であるサムスン、LG電子は全体の25%のシェアを占めていることがわかります。5Gの覇権を制するためには、この5Gの特許シェアをいかに握るかが重要です。しかし、中国のように米国からの“中華製品排除”の動きが韓国でも起きれば、これは大きな打撃となります。韓国は米国の同盟国とはいえ、いつ何を言い出すかわからないトランプ政権下では全く油断できません。そういった経緯から、現在韓国は、中国への経済依存度がかなり高くなっています。

お得意さまの中国がまさかの宣言で韓国はお先真っ暗

そこで中国とは良好な関係を維持したいところですが、中国は25年までに世界の製造強国の仲間入りを目標にしており、18年は15.5%にすぎない半導体自給率を25年までに70%に引き上げるという計画を示しています。

5Gの普及で必要となってくるのが半導体であり、この国内生産体制を整えることがカギとなっています。2019年の半導体市場におけるメーカーの所属国別シェアは、トップが米国の55%、2位が韓国の21%、3位が欧州の7%、4位が台湾と日本の6%、6位が中国の5%という順になっていますが、韓国の今の地位が危うくなっているのです。

つまり、国民感情を二分する日韓通貨スワップ協定締結の難航、国内の反日感情、中国への貿易依存リスクという三重苦を抱えた状態で、文政権は5年任期の後半を迎えることになったのです。

単なるコロナショック以上に、現在の韓国には根深い経済問題があります。日本と外交上では何かとトラブルが多い韓国。それでも、一番近い、お隣の国でもあります。あなただったらそんな韓国のスワップ要求、応じますか?

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