日本は韓国に対し、確固たる厳しい見方を失ってはならない
4月17日付の産経新聞の社説(主張)は「韓国総選挙 対日硬化に警戒が必要だ」との見出しを立て、まずこう指摘する。
「新型コロナウイルス危機のさなかで進められた選挙戦は、文政権の感染防止策が最大の争点になり、外交・安全保障を含む政策論争は広がりを欠いた」
産経社説が指摘するように新型コロナウイルスの防疫をめぐる評価に比べ、「外交・安全保障を含む政策論争」はほとんどなかったといえよう。この指摘を踏まえながら産経社説は主張する。
「文氏の下で日韓関係は悪化した。文政権への強い支持が示されたことで、対日姿勢はより強硬となることを覚悟し、備えなくてはならない」
「文氏は日本に『未来志向の協力関係に向け努力しよう』と呼びかけはするが、関係修復に向けた具体的な行動は起こさない」
なるほど、産経社説が主張するように韓国に対し、日本は確固たる厳しい見方を失ってはならない。
日本がブレることは韓国に隙を見せることになる
産経社説は後半で「左派系与党が大きく膨らんだことは無視できない。対日政策で、強い与党に文氏が突き動かされることにも警戒が必要だ」と指摘し、徴用工問題と北朝鮮への対応について主張する。
「日本政府は『徴用工』問題などであくまで従来の姿勢を貫くべきだ。国益や国際法に反する妥協や歩み寄りは一切無用である」
産経社説に賛成である。日本がここでブレるようなことがあれば、韓国に隙を見せるだけある。外交の基本は国益だ。国益が損なわれるようではどうしようもない。徴用工問題は1965年の請求権協定で解決されている。文政権がどこまでも譲らないようであれば、日本政府は国際社会に強く訴えるべきである。
産経社説は書く。
「北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉が行き詰まる中、文氏は南北を『生命共同体』と述べ、融和路線に執着している」
「懸念されるのは、総選挙での与党の勝利をはずみに文氏が改めて強く融和に踏み出そうとすることだ。残る任期の2年のうちに強引に足跡を残そうとするだろう」
「文氏の融和路線は、対北圧力を重視する日本や米国との間で摩擦を生じさせた。選挙戦中、北朝鮮が再三、ミサイルを発射したことにも留意すべきだ。融和路線は改めるべきである」
沙鴎一歩も前述したが、産経社説が主張するように「融和路線は改めるべき」なのである。