「国民の自尊心を満たす効果もあったのではないか」と読売社説

次に4月18日付の読売新聞の社説を取り上げよう。読売社説は中盤で次のように総選挙の結果を分析する。

「与党圧勝は、韓国政府の対応を有権者が評価したことの表れだ。文氏は『防疫の成果により、韓国の国際的地位が高まった』と強調していた。国民の自尊心を満たす効果もあったのではないか」

感染拡大の防止に成功し、国際的地位も高まり、その結果として韓国国民の自尊心が高まったことは間違いないだろう。

「感染が完全に終息していない状態で、選挙を円滑に行ったことも目を引く。投票所では、マスクの着用や検温、消毒などの感染予防策が徹底された。投票率は約66%と高水準だった」

日本の選挙でも見習うべきとことはあるだろう。感染症の対策においては「徹底」が重要だが、バランス感覚を失ってはならない。文政権に限らず、韓国の歴代政権はこのバランス感覚に欠けることが多い。

韓国が抱える構造的な問題が与党の勝利で解決するわけではない

さらに読売社説は指摘する。

「文氏が留意すべきは、韓国が抱える構造的な問題が与党の勝利で解決するわけではないことだ」
「若年層の就職難や、中国頼みの経済の脆弱ぜいじゃくさは解消されていない。前法相を巡るスキャンダルや検察改革の是非を巡り、与党支持層と反対勢力の対立が続く」
「外交・安全保障政策も見直しが迫られている」

なるほど。韓国の抱えている問題は、構造的なのである。就職難、経済力の弱さ、政権の腐敗、国民と国民との分断、外交問題、安保政策……と新型コロナウイルス禍によってこうした問題は目立ち、そして深刻さを増している。文氏は総選挙で歴史的な勝利を収めたからと調子に乗るべきではない。足元の脆弱さを自覚すべきである。

日本にとっても対岸の火事などではない。新型コロナウイルスの感染拡大を収束させた後、疲弊した日本の社会をどう立ち直らせ、活性化させていくことが大きく問われる。それこそ政治家が粉骨砕身しなければ、日本の将来はない。安倍晋三首相にその覚悟ができているのか、疑問である。

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