短所を長所に変えて死角を減らす

バックギャモンをはじめたころは、私にも苦手な局面がいくつもありました。その自覚した局面については、どういう方針で駒を動かせばいいのか、考え方が間違っていないか確認しながら、何百回と同じ局面を繰り返しながら、答えを探していきました。私にとってはそれを積み重ねることが、トレーニングといえます。

トレーニングを重ねるうち、やがてその局面においてはどういうふうに駒を動かせばいいのかというコンセプトがわかってきます。すると、それまで苦手だったはずの局面が、得意な局面に変わる。そうして短所を長所に変えていくことによって、少しでも死角を減らすというのが、私のトレーニング方針でした。

トレーニングの賜物で苦手な局面が得意に

トレーニングには膨大な時間がかかります。限られた時間のなかで実力を向上させるには、なるべく伸びしろの大きい部分を集中的にトレーニングしたほうが効率的です。ただし、取り組んでいるジャンルやかけられる時間にもよりますが、長所がある程度確立されたならば、それをさらに伸ばすより、短所を補うトレーニングに優先的に取り組むほうがより成果を得られることもあるのです。

振り返ってみると、今私が得意とする局面のなかには、もともと苦手だったものがいくつかあります。このようなトレーニングの積み重ねによって、短所が長所に転じ、大きな伸びしろを活かすことができるのです。

関連記事
「好きで始めたはずなのに」情熱がさめたときのモチベーションの取り戻し方
谷亮子「なぜ私はあの時『最高でも金、最低でも金』をサラリと言えたのか」
「時給5000万円の陸上バカ」日本代表・大迫傑のお金の使い道
野村克也さんが「北京五輪で世紀の大エラー」G.G.佐藤の人生を救った秘話
敗戦をヒトラーのせいにした「戦車将軍」のウソ