衝動買いを防ぐ方法

最後に、これまでの話から、衝動買いを防ぐ方法について考えてみたいと思います。第一の方法は、クールシステムが十分に機能している状態であるか、自らをモニタリングしてみることです。ひとたびホットシステムが活性化してしまえば、私たちは自分自身でさえ、なぜそうしたのか説明できない決定をしてしまう可能性があるからです。

第二の方法は、そもそも意思決定の機会をできるだけ減らすというものです。買い物リストを持っている消費者は、衝動買いをしにくいことが明らかになっています。リストにないものは買わないと決めることで、ヒューリスティクス的な意思決定の機会も自ずと減ることになるでしょう。

消費者として行動する際、私たちの評価や選択は思いがけないものに影響を受けています。それを意識することで、後悔するような衝動買いを抑止することができるかもしれません。

(構成=山田由佳 写真=Getty Images/時事)
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