3キロのダンベルを100回上げるとわかること

では、「自分を客観化してくれるもの」とは一体なんでしょうか。

落語家の立川談慶さん

私は、筋トレを提案します。

筋トレは自分のレベルを残酷にも客観化させます。どんなにネットで「俺は昔ベンチプレス100キロ上げていた」といっても、目の前に器具を用意してやらせてみたらわかることです。

うそやハッタリはまったく効きません。「一生懸命トレーニングしています!」と訴えても、「じゃあスクワットで担いでみて」といわれれば一目瞭然です。そんな客観化とのせめぎ合いを毎日続けてゆくことで、自分というものがおぼろげながら見えてきます。

そこで浮かんできた自分をコアにする訓練を積み重ねてゆけば、「他者への気遣い」も同じように明確化されてゆくのではと、私は手ごたえを感じています。3キロのダンベルでも100回上げれば、腕がパンパンになります。

そんな気持ちをつなげてゆくと、町で出会ったご年配の方が駅の階段などでつらそうに抱える荷物をさりげなく持ってあげることなどたやすいことです。

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