「しくじればおしまい」な現代人

先日、ツイッターを眺めていたら、こんな内容の記事が流れてきました。

「18歳以下の子供の自殺を分析した2015年内閣府発表の調査では、子供が自殺した日を日付けごとに分析した結果、夏休み明けの9月1日が突出して多いことが分かりました。また若い世代で死因の第一位が“自殺”となっているのは先進7カ国の中で日本だけです」

自殺という最悪の選択に至るまでには無論、いろんな事情があるのでしょうから、一言では断定できません。しかしながら、私が思うのは「世の大人たちが負けや挫折を教えなくなったことに一因があるのではないか」ということです。いや、もはや大人たち自身が、負けや挫折を知らないまま大人になってしまっているのではないでしょうか……。

写真=時事通信フォト
常磐道上り線で男性会社員が「あおり運転」を受け殴られた事件の実況見分で、当時の状況を確認する捜査員ら=31日、茨城県守谷市 ※一部画像処理(車両のナンバーにモザイク)してます。

実際、現代人は成功事例のみ追い求めているように見えます。ちまたでは「こうすれば売れる」「失敗しない生き方」「負けない作法」など、薄っぺらいハウツー本が山ほど売られています。まるでしくじらないように振る舞うことがすべての人に要求されているようでもあり、それにより現代人には「しくじればおしまい」という切迫感が植え付けられたのかもしれません。

その根幹にあるのは、「うまくいく」「損をしない」「進歩する」のが善で、それ以外は悪という片寄った二元論に基づいた、「アクセル思考」にあると私は考えています。