日本はこれまで何度なく大災害に見舞われては復興を遂げてきた。その理由を落語家の立川談慶氏は「日本人は地勢によって共感力が育まれた。その共感力があったから被災地でも助け合い、難局を乗り越えてこれた」という――。
写真=時事通信フォト
台風15号、19号で多くの家の屋根が飛ばされた保田地区(千葉県安房郡鋸南町)=2019年10月13日

台風19号で、私の予定も吹き飛んだ

令和に入ってから、台風が3つも日本列島に上陸しました。なかでも「令和元年台風第15号」と「令和元年台風第19号」は、いずれも戦後まれに見る大きな台風となり、関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。

とくに台風19号につきましては、10月12日に都内で予定されていた、弟弟子の立川三四楼改め立川わんだの真打ち昇進披露落語会が中止に追い込まれ、出演予定だった私の予定まで吹き飛ばしてしまいました。

いや、こちらはその程度の被害ではありましたが、故郷の長野では千曲ちくま川が決壊し、水害に見舞われた家屋が8000戸以上。さらには死者5名という悲惨な被害をもたらしました。謹んでお悔やみ申し上げます。

被害を受けた市町村数は8年前の東日本大震災を上回るといいますから、言葉を失うばかりです。私もいてもたってもいられず、先月開催したハワイ独演会での収益金を、全額上田市に寄付させていただきました。

知人らに聞くと、まだまだ復旧には時間を要するとのことで、引き続き出来るだけの支援をしようと決意を新たにしたところであります。どうかこちらをお読みの善男善女の皆様方、なにとぞよしなによろしくお願い申し上げます。