落語家と同じくらい不況に強い3つの業種

現在、落語家の数は史上最大規模となっており、大阪・東京合わせて1000人を突破しました。それに対して、現存する古典落語の数はおおむね300程度。これは奇妙な現象です。

言葉を換えれば、「300しかないネタバレしたはなしを1000人以上もの落語家が日々やり合っている」ようなもの。新刊『教養としての落語』(サンマーク出版)でも書きましたが、新作落語のみで食べている落語家は別として、ほとんどの落語家は古典落語の「アレンジャー」として腕を磨き続きながら生きながらえています。

ただし、立川流に関していえば、NHKの看板番組の司会をする方がいたり、役者としての顔を持つ方がいたり、朝の情報番組のMCを務める方がいたりと、華々しい活躍をされている先輩方がいます。そんなみなまさに追いつけ追い越せと、かくいう私も1000人の同業者に負けないよう、年間5冊も書籍を出版したり、「筋肉芸人」としても君臨できるよう身体を鍛えたり、そしてこちらで駄文を連ねたりするなど、必死なのであります。

おかげで、なんとか子供2人を私立の学校に行かせられるほどの稼ぎを得られています。これは以前こちらの連載で述べたとおり、テレビに特化しないフィールドにいるからこそ落語家は食べていけることを実証しているといえるでしょう。

そんな中、過去30年間にわたって実質賃金が伸びていないこの国において、落語家と同じように不況に強い業種を発見しました。

女性とお酒
写真=iStock.com/Milatas
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