「教育の現場にこそ落語の笑いが必要」
いやあ、日本中を驚かせた動画でしたなあ。
神戸市立東須磨小学校の教員間いじめの件です。
4人の教員が同僚の一人に無理やり激辛カレーを食べさせている様子は「ほんとうにこの人たちが子供を教える立場にある先生なのか」と激しい怒りとともに落胆を覚えたのは私だけではないはずです。いやはや、課外活動ではなく加害活動をしていたとはシャレにもなりません。
さらに、呆れ返ったのは加害教員の中の40代女性教員は、小3のクラスを担当していた2017年度、一人の男児が座っていた椅子をいきなり引いて、後ろの机に頭をぶつけさせるなどしたり、胸ぐらをつかんだりしたといいます(神戸新聞2019年10月11日)。一事が万事、こういったことは今後どんどん出て来るのでしょうな。
神戸の東須磨小学校はあくまでも特殊なケースでしょうし、またそう信じたいほどです。でも実は私、2年前、ある女性編集者から「学校の先生方が苦しんでいる。若い先生方に向けて、元気の出る本を書いてもらえないか」という依頼を受けて、『落語家直伝 うまい!授業のつくりかた』という本を書きました。
教育現場とはかけ離れた落語家という門外漢の立場で、はたして書くことがあるのかとも思ったのですが、優秀な先生方ほど悩んでいるという歪さと、その女性編集者の「教育の現場にこそ落語の笑いが必要なのです」という強い意志にほだされました。「もし談志が学校の先生だったらこんなことを話していたのでは」と、思いというよりも妄想に近い感情を募らせて書く決意を固めたものでした。