知的障害があり働くことができない54歳の妹をどうするか
相談当日は母親と長女の2人がいらっしゃいました。あいさつをすませた後、まずは家族構成とひきこもりの次女の状況から伺うことにしました。
母(82)
次女(54)
※父はすでに死亡
※母と次女の二人暮らし
長女(56)独立別居。既婚。
次女は生まれつき知的障害があり、20歳の時から障害基礎年金を受給しています。性格は穏やかで、親の言うことはよくきくそうです。成人してからは障害者の方が多くいる職場で働いていました。仕事は単純作業ではあったものの、手を動かしたりすることが好きだったようで、毎日楽しそうに職場に通っていました。
しかし、30代半ばの頃に担当者が代わり、新しい担当者から嫌がらせを受けました。優しい性格だったため反発をせずにじっと我慢をしていましたが、それがいけなかったのか同僚からもいじめを受けるようになったそうです。
82歳母親の月の収入は老齢年金と遺族年金の14万5000円のみ
その結果、20年ほど前に退職。退職後は家の中で静かに過ごすことになりました。それ以来、自宅でひきこもっていますが、家の中のことはよく手伝ってくれます。
炊事、洗濯、掃除などの家事はひと通りできます。あらかじめ買うもののリストを渡しておけば、ひとりで買い物にも行けます。ただし、金銭管理は難しいようで、お金は手元にあればあるだけ使ってしまうとのこと。そのため、次女の通帳や小遣いは母親が管理しています。
次に現在の収入と支出、財産の状況を伺うことにしました。
母 月額14万5000円(公的年金/老齢年金と遺族年金の合計)
次女 月額6万5000円(公的年金/障害基礎年金2級)
【支出】
基本生活費 月額17万円
住居費(固定資産税等)月額換算8000円
【財産】
母 預貯金 400万円
次女 預貯金 1400万円
自宅(持ち家)1200万円(現状の資産価値)