82歳の母親は54歳の次女と2人暮らし。次女は生まれつき知的障害があり、勤務経験はあるが、ここ20年は家にひきこもっている。既婚で独立している56歳の長女は、「母が死んだ後、私が妹を一生背負っていくのは経済的に難しい」とファイナンシャルプランナーに相談した――。
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「母が死んだら、自分が妹の面倒をみなければいけないのか?」

私はひきこもりのお子さんを持つ家庭からの家計相談を受けていますが、最近は親御さんだけでなく、兄弟姉妹からの依頼が増えています。その場合、内容は大きく2つにわけられます。

(1)「親亡き後、お金は足りるのか?」という経済面での不安
(2)「親亡き後、自分が生活の面倒をみなければいけないのか?」という生活面の不安

親御さんが先頭に立って家族会議を開いたり、親亡き後を見据えて準備を進めたりしていれば兄弟姉妹も少しは安心できるかもしれません。しかし、それができない家族も多いようなのです。

先日、相談の依頼があった56歳の既婚女性も、同じような悩みを抱えていらっしゃいました。

「高齢の母(82歳)は、ひきこもりの妹(54歳)に関してあまり深刻に考えていません。最近母から『私(母)が亡くなった後の事はお願い』と言われてしまいました。私には家庭があるので、お願いをされても困ります。しかし、母と何をどう話したらいいのか。母が亡くなった後のことを考えると不安で仕方がありません」