金遣いと器▼お金のやり取りはスマートにできているか
ポイントを貯めるドケチな国会議員
たとえ自分の財布が寂しくても、貧しい人が困っていたら、ポンとお金を出す。器の大きい人にはそんなイメージがある。しかしアンケート結果を見ると、「10年以上付き合いがある知人に対しても、10万円は貸さない」という回答が過半を占めた。
「この結果には驚きましたね」と言う齊藤氏はこう続ける。
「10年以上の付き合いがある相手でしょう? 事情や相手にもよりますが、私なら断りません」
それとは逆に、「お金を貸すと人間関係がこじれるから、貸さないほうがいい」と言うのは榎本氏である。
「借金というのは、借りるほうにとっても精神的な負担です。すぐに返せればいいけれど、それができなければ、だんだん貸してくれた人のことが鬱陶しくなってくる。やがてせっかく助けてくれた人のことを恨んだりするようになります」(榎本氏)
ところで舟木氏には「国会議員秘書」を対象とした研究がある。議員秘書が自分のボスである国会議員の器の大きさを実感するのが、飲み会での支払いの瞬間だという。
「国会議員の場合、事務所のスタッフの飲み会ならば、全額を議員が払うのが通例になっています。ところが中には割り勘とか、秘書に立て替えさせておいて政治資金で賄う議員もいると聞きました」(舟木氏)
ひどい場合は、割り勘なのにポイントだけは自分のカードにつけさせる議員もいるとか。このようなボスのもとでは「この人のために頑張ろう」という気持ちになりにくいだろう。これは議員だけではなく一般企業においても同じことが言える。
舟木氏は、器の小さい上司と思われないお金の使い方には4つのポイントがあるという。まずはインフォーマルな飲み会でも自分から声をかけたら原則としておごること。次に、部署全体で飲みに行くときは、自分は参加しなくても費用をある程度負担すること。そして部下の結婚や出産などのお祝いごとのときは贈り物や祝い金を気持ちよく出すこと。最後に、お店での会計はサラッとすませることだ。