どの国も「元の姿に戻る」傾向はある

私たちに身近な米国とは、「世界の警察官」として海外に同盟国や軍事拠点を配置しグローバリズムや自由貿易を訴える米国です。しかし、それだけが米国の「顔」ではありません。米国史を振り返れば、現在のトランプ政権は建国以来の本来の米国の姿に先祖返りしただけなのです。

米国に限らず、どの国も「元の姿に戻る」傾向はあります。ロシアの原点は帝政時代にあり、だからプーチン大統領のような強権的指導者が求められるのだし、英国は伝統的に島国であることを利して欧州大陸の紛争から距離を置いてきました。

国民投票でEU離脱派が勝ったことは世界を驚かせましたが、歴史を振り返ればブレグジットでヨーロッパと袂を分かつことは、英国にとっては「光栄ある孤立」への回帰を意味するのかもしれません。

品格を上げるポイント:グローバリズムは「顔」の1つにすぎない

茂木 誠
駿台予備学校世界史科講師
東京都出身。東大・一橋大など難関国公立大クラスを担当する。YouTube「もぎせかチャンネル」でのニュース解説も人気。『世界史で学べ! 地政学』ほか著書多数。
(構成=久保田正志 撮影=永井 浩 写真=AP/AFLO)
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