「ブラックホール」とは何か

谷口義明著『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』(光文社)

2019年4月10日は人類がブラックホールの撮影に成功した、記念すべき1日になりました。そもそもブラックホールとは何なのでしょうか。

第12位『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』は、ブラックホールのことを平易に解説した1冊です。本書によるとブラックホールは実のところ、とてもありふれた存在です。その性質は実に興味深く、ブラックホールについて考えていくと、必然的に宇宙の神秘に行き着くことになるといいます。私たちの知的好奇心を大いに刺激する1冊。時にはビジネスを離れ、こうした書に触れてみてはいかがでしょうか。

「選択と集中」は誤訳だったのか

最後にご注目いただきたいのが、第20位にランクインした『持たざる経営の虚実』。本書は、一般的に知られている「選択と集中」の意味が、実は「誤訳」だったという衝撃的な話から始まります。

松岡真宏著『持たざる経営の虚実』(日本経済新聞出版社)

バブル崩壊以降、日本経済が低迷するなかで、「選択と集中」という経営用語は急激に広まりました。不採算事業を縮小もしくは撤退し、本業に集中すべしという主張は、多くの企業にとって納得感のあるものだったでしょう。しかし、この言葉は事業分野の多角化を否定するものでも、本業への集中を促すものでもありませんでした。実際、現在ではさまざまな国でコングロマリット(複合企業)が躍進し、M&Aの件数も増えています。本業以外の機能を内部に取り込むことの価値を改めて考えさせてくれる、重要な経営書です。

先月もランクインした『直感と論理をつなぐ思考法』をはじめ、今月はとりわけ話題作が目立ちました。来月もこのなかから複数タイトルが上位に入ると予想されます。今から6月のランキングがどうなるか楽しみです。

flier(フライヤー)編集部
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