カイゼンとイノベーションを大切にする

もうひとつの言葉は長崎自身が自らに向かって訓戒の言として語るもの。

「一歩、踏み出す勇気を持とう。挑戦は勇気がいることです。失敗を恐れずに一歩踏み出して、自信を持って挑戦していこうということです。

当社のサービスはカイゼンとイノベーションのふたつを大切にしています。トヨタのトヨタ生産方式から取ったカイゼン。これは今までできていたことを『より早く、簡単に、安く実現できること』です。実際、当社は仕事を始めてから71回、サービスの対価の値下げをしてお客さまに還元してきました。

もうひとつはイノベーション。『今まで実現できなかったことを実現できる』ということ。このふたつでお客さまの失敗のコストが下がり、ビジネスを加速させることができます」

AWSがやっていることはオンデマンド型、つまり、「こんなことはできますか?」という客側の問いかけから始まる。

つまり、AWSのサービスを使うには客もまた使いこなしを問われる。的確な問いを発することができれば効果は絶大だが、使う方向性を間違えれば、結果は出ないかもしれない。ただし、そういった場合はまずLoftへ行くことだ。Loftでエキスパートと話をするうちに、自分が目指しているもの、方向性をきちんと整理できるだろう。そうすれば解決法(ソリューション)は見えてくる。そのためには一歩踏み出す勇気と「It’s still Day One」という謙虚な気持ちがいる。(敬称略)

野地 秩嘉(のじ・つねよし)
ノンフィクション作家
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。著書は『高倉健インタヴューズ』『日本一のまかないレシピ』『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『一流たちの修業時代』『ヨーロッパ美食旅行』『ヤンキー社長』など多数。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。
(撮影=石橋素幸)
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