「ざっくり」とらえることも大事なポイント

一方、大きな数でも、「漢数字」に着目すると、0の個数の区切り方が違ってくる。「万、億、兆」は0が4個区切り(4の倍数)だ。ここが厄介なところで、つまりカンマと漢数字では0の個数が一致しないため、大きな数は非常に読みづらいのだ。しかし、この違いを覚えておけば、大きな数もすんなり読めるようになる。

たとえば、「1,000,000,000」。カンマが3個で0が9個だから、十億だとわかる。これを漢数字の方法で読むとどうなるか。4の倍数で分け、0が9個だから、「9=4×2+1」と分解できる。つまり「9=8+1」だ。これは0が8個と余り1個なので、一億に0を1つ足した十億となる。

大きい数を読むときは、「ざっくり」とらえることも大事なポイントだ。その際、上から3ケタ目を四捨五入するとよい。理由は誤差が小さいからだ。冒頭のソフトバンクの売上高は、ざっくり9兆2000億円ととらえればいい。

堀口智之
和から 代表取締役
山形大学理学部物理学科卒業。2010年、大人のための数学教室「和(なごみ)」を創業。月間600人を超える社会人が学ぶ。著書に『「データセンス」の磨き方』がある。
(構成=田之上 信)
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