LINE証券、LINE投資、LINE保険、LINE銀行……
事実、いま続々とLINE傘下の金融サービスが立ち上がっています。2018年1月に立ち上がったLINEフィナンシャル株式会社は、資産運用、保険、ローン、仮想通貨(暗号通貨)など金融事業領域をさらに強化するのが狙いです。個別の金融業態を挙げてみましょう。例えば、LINE証券は、野村證券との提携により誕生したネット証券です。
LINEスマート投資もスタートしました。これは、ドローン、VR、コスプレなど、身近なテーマに対し、10万円前後から気軽に投資ができるというサービスです。日本初のテーマ投資型オンライン証券会社であるFOLIOとの提携が基盤となっています。そして損保ジャパン日本興亜との提携によってLINE保険も立ち上げています。スマホから最短60秒で手続きができて、「保険料は100円から」「LINEペイでの支払いも可能」としています。
そしてLINE銀行です。LINEフィナンシャル51%、みずほ銀行49%の出資で設立される銀行です。具体的なサービス内容は明らかになっていませんが、LINEの出澤剛CEOは「LINEPayに力を入れており、ユーザー数も増えている。LINEPayユーザーにさまざまな金融サービスを提供したいとなると、日常的に一番必要なのが銀行業」「規制やレギュレーションが厳しく、ユーザー向けのサービスにはまだまだ改善余地がある。そこでLINEらしい挑戦ができないか」と語っています(CNETJapan、2018年11月27日)。
なぜ既存金融機関との関係を重視するのか
LINEとみずほは「LINEクレジット」でも提携し、LINEの利用状況などのデータをもとに個人の信用力を測る「LINEスコア」や、個人向け無担保ローンサービス「LINEポケットマネー」などを展開するとしています。
こうして見ると、LINEが既存金融機関と良好な関係を築いていることがわかります。出澤CEOは「われわれが取り組む金融事業は、既存金融機関とパートナー関係を構築したうえで展開するのが基本方針。金融の独特な規制への対応や、より厳格な運営体制が求められることを踏まえれば、われわれが単独でやるよりも、金融のノウハウや知見を持っている既存金融機関を組んでやるほうがよい」(『金融財政事情』2018年9月17日号)との意向を示しています。